昨日で1ヶ月が経過。海上自衛隊幹部候補生学校 第65期一般幹部候補生課程の皆様の「1029総短艇」。その間にも、総短艇が行われていた事と思いますが、自衛隊記念日を目前にした10月29日(水)夕刻の「総短艇」を極めて詳細に投稿してゆきます。では、早速参りましょう。「1029総短艇」詳細投稿第3回。45cutの超大作。今投稿後半より、「Wキャスト」となります。
前回投稿に入っていなかった画像2cutから始めます。表桟橋左(手前より)の4分隊さんより1分隊さんまで。短艇が海に降り始めた頃。
その20秒後。表桟橋左組一番手出航は1分隊さん。表桟橋右組の一番手は6分隊さん。いざ!目指すは表桟橋ほぼ前方の「No.3ブイ」!では、今一度、「1029総短艇」の図を—
最初に「No.3ブイ」を一斉に目指します。短艇の下に書かれている「C5....」は、短艇番号です。江田島湾に出られた後、短艇に書かれている「候校 C」の番号にて、何分隊さんであるのかが確認出来ます。短艇番号なければ、何分隊さんであるのかが、当事者の皆様以外、殆ど判らない筈です。また、遠方になれば、お顔ぶれでは判断出来ません。
さあ、いざ江田内へ!こちらは2分隊さん。短艇は小柄な木の船ですが、全景を撮ろうとすると、皆様の表情が判りづらくなります。出来る限り、「迫真」を伝えたい。また、表桟橋岸壁が一斉に激しく動いていますので、記録者も「選って」は撮れません。皆様が「本気勝負」であるように、記録者も「本気勝負」。可能な限り記録した画像の中の「皆様」のお姿・表情は、全てが「迫真」でした。この記録は映画の現場スチールではありません。本番一発勝負の「リアル」。
2分隊さん。辺りは騒然。いつもは極めて穏やかで静かな学校内。夕刻の騒然。迫真の騒然。
最も表桟橋に近い4分隊さん。既にこの頃、1分隊さんは「出航」されていますが、勝負は何が起きるか判りません。最初に目指すNo.3ブイに向うまでに、どの位置に入り込めるか。勝負はこれから。決着は最後の瞬間まで判らない。
速かった!表桟橋右組の6分隊さん。ギラギラの逆光。午后、特に夕刻の江田島湾は実に眩しい。ギラギラなのです。その眩しい江田島湾へと漕ぎ出され、表桟橋前方まで来られていました。この画像は加工しています。実際は…
元画像はこちら。写り込みを消していますが、本当はこちらを使うべきです。表桟橋の一部が写っている事で、この段階で、どの位置に来られていたかが判ります。
一気に「寄り」。4分隊さん出航。最も近い位置にいらっしゃいましたので、皆様のお手元をよくよく観たかったのです。手袋はなし。大きな男性の手でも、握り切れないオール。でも、実際はどうなのでしょう。自分は子どもの頃に小さなボートを漕いだ程度の超初心者。と云うより素人。その時のオールは細かった。しっかり握れた方が漕ぎ易いのか、握り切らない方が漕ぎ易いのかが判りません。
「かけ声」は女性。女性の声は良く響く。6月に少し離れたところから総短艇を見学記録していた際も、女性の声は良く聴こえていました。すぐ前で漕いでいらっしゃるお方も女性ですね。4分隊さん、女性は4名。各分隊さん、女性がいらっしゃいます。1分隊さん3名、2分隊さん4名、3分隊さん3名、4分隊さん4名、5分隊さん4名、6分隊さん2名。
4分隊さんと、ほぼ同時に2分隊さんも漕ぎ出しましたね。右端に僅かに2分隊さんの舵が写っています。そして、3分隊さん。この時、何事か起きていたのでしょうか。まだ、短艇上に皆様揃われていません。3分隊さんは、今年度の総短艇、第13回まで★5つで首位を走っていらっしゃるのですが…
4分隊さんしなるオール。水しぶきに気をとられてしまっていました。ほぼ並んで2分隊さんが航行されているのに、画角を下げ過ぎています。ですが、初めて間近で見学記録させて戴いた総短艇。思わず、しなるオールに目を奪われていました。水は重い。柔らかく重い。
ますますしなるオール。ぐいぐい進む4分隊さん、1歩(歩?)リード。2分隊さんは何か…タイミングを観ていらっしゃるのでしょうか。
表桟橋右組も忘れてはいません。ですが、同時には撮れない。表桟橋右側はギラギラ逆光。こちらは5分隊さん。完全にシルエットになってしまっていますが…明るくすると、夕陽ギラギラの江田島湾が薄れてしまいます。
加工して不自然に明るくすると、かろうじて見える「6」。候校6は5分隊さん。表桟橋前を通過。
口惜しそうな首位3分隊さん。この日、何事かが起きていたのですよね。ですが、諦めない。最後の瞬間まで諦めない。勝負は最後の瞬間まで判りません。もし、自分が、この日の3分隊さんであったら…と考えます。諦めない。どこまで追い上げる事が出来るかに賭けます。一気挽回の機会はある。No.3ブイを廻り、一旦岸壁に戻る際に挽回の機会がある。それに賭けたでしょう。ですが、自分だけが頑張ってもダメです。他人のせいにするのも間違っています。物事は複雑に入り組んだ1つ1つがうまく繋がった時に「成功」する。自分独りの力で「成功」する訳じゃない。自分は「周囲」の中にある。その一部。
最後の瞬間まで諦めてはいけない。投げてはいけない。逆境にある時ほど、力が湧くように強く引っ張る。口惜しさが力なれ。
先ゆく2分隊さん。快走中。目線の先は5分隊さん?6分隊さん?おそらく、この辺りで並んだのでしょう。表桟橋ラインを挟んで。
2分隊さん。この角度からであると、オールが短く見えますね…とても長いのですが。あと、漕ぐと云っても、皆様全員が同じ漕ぎ方ではないですよね…素人ですので、よく判らないのですが、漕ぎ方が違う。左右6名ずつの方々も前・中・後では、漕ぎ方が異なるのでしょうが、詳しく判らないのが残念!
ご準備の際の記録が殆どなかった2分隊さん。ここで記録「挽回」。それにしても、「漕ぐ」と云っても全身全力。到底、真似など出来ぬ「激動」。
12名が全身全力で漕ぐ。どれほどの力量でしょう。一体、何に換算出来ますか。
思わず画像を観ているだけでも力が入る。あと、印象的であるのは、短艇の光沢と曲線。木造の掃海艦・掃海艇さんがたを彷彿とさせます。夕陽に照らされた木の光沢と曲線。
さあ、追い上げてこられました。3分隊さん。最も近い距離です。
海をかく。漆塗りの箸を思わせる光沢としなやかさ。いえ…ここは広島県。江田島の向こうには宮島。宮島と云えば、杓子。弁財天さんの琵琶を象った杓子。弁財天さんは海の女神。勝運守護の女神。
海をかく。何故かオールが和漆器に見え…嚴島神社の客社祓殿に見え…
「…え?」。リアルな瞬間。オールに引っかかった海藻。思わぬ「一瞬」。それも「一瞬」。
思わぬ「一瞬」の次の瞬間。再び力の限りに漕いでは返し。海は柔らかく、重く、そして、まとわりつくような。
夕陽が照らす「江田内」。表桟橋の直線上に夕陽。えも云われぬ美しさ。凌ぎを削る激しさとは対極にある「静謐」。No.3ブイを目指して進む短艇群。しかし、何故、表桟橋は夕陽の直線上にあるのでしょう。太陽は半年をかけて地平線(表桟橋から観て)を行き来します。常にこの位置に陽が暮れる訳ではありませんが、何故、表桟橋は夕陽と直線上に設置されたのでしょう。明治の時代から表桟橋の位置が変わっていないとしたら、何故、この位置に表桟橋を据えられたのかが俄然気になり始めました。実家近くの神社は、冬至の朝、鳥居から旭が直線上に射すよう配されています。ピラミッドもそうですね。「表桟橋」とは一体…。そして、何故、この時期に。10月の終わりに。どなたが、この位置に配されたのでしょう。『古事記』の天孫降臨のくだりも思い出さずにはいられません。「朝日の直刺す國、夕日の日照る國なり。故、此地は甚吉き地」。天孫降臨の地は、私は霧島の高千穂の峰だと考えています。薩摩。海軍兵学校のはじめの頃、学校長は薩摩出身の御方が多くいらしたと記憶しています。総短艇の夕刻に「表桟橋」に立ち、夕陽の直線上にある事を再確認し、改めて、さまざま思わずにはいられませんでした。
ここで、突如、冒頭の画像と夕陽の「表桟橋」。総短艇の「出航」から、この夕陽の表桟橋まで、僅か46秒だったのです。大作ですので、時間がかなり経過しているように思えるかもしれませんが、僅か46秒!
No.3ブイに向かい。一番手は6分隊さん。続いて1分隊さん、5分隊さん、4分隊さん、2分隊さん、3分隊さんとなってゆきます。5分隊さんと4分隊さん、ガチガチ当りそうです(当たっている?縦方向から観ると、詰まって見えますので)。
6分隊さん、No.3ブイを一番手で廻られました。
気付けば、ご覧の通り、整然とNo.3ブイを廻られています。均等に等間隔に整然と。総短艇は、勿論、順位を「競う」のですが、1〜6分隊さん、「人の力」としては拮抗されている筈なのです。その時々の細かい1つ1つ、またタイミング次第で順位が決まるのではないでしょうか。おそらく(勝手な予測ですが)、ほんの僅かな差。僅差。
No.3ブイ折り返し。表桟橋岸壁に戻って来られます。No.3ブイを廻れば、皆様、それぞれの「定位置」まで戻る事になります。そして、「選手交代」がある。F1での「ピットイン」。ここで一気挽回の機会。交代が順調に進めば、時間短縮。手間取れば、出遅れる。
画像を確認して、「え?」。折り返し表桟橋左組、先頭は1分隊さん、続いて4分隊さん、2分隊さん、3分隊さんになっていました。
逆光ギラギラに融け込むかのように表桟橋右組先頭は6分隊さん。本当に眩しい!
何とも整然と。4分隊さん、2分隊さん、3分隊さん。そして、No.3ブイ。
黄の双眼鏡ベルトは、池 幹部候補生学校長。お隣には、「短艇進行図」。皆様が双眼鏡で常に確認されています。そして、まさに表桟橋夕陽一直線。夕陽が表桟橋の位置を「指定」しているかのように。「ここにあるべし」。
時刻は1557。「総短艇!」がかかってより、まだ10分も経過していなかったのです。短艇が海に降りてから、僅か4分。じっとご覧になられている池 幹部候補生学校長、取材に来られていた「防衛記者クラブ」の皆様。
ふと振り返り、「!」。何と表桟橋岸壁横に、見事な整然!「いつの間に…」でした。自衛隊記念日観閲行進の予行に向われる第1術科学校の皆様。これほど大勢の方々が、ずらりと並ばれている事に全く気付きませんでした。これほど大勢の方々が出て来られていたのに、「物音」がしなかったのです。普通?であれば、これほど大勢の方々がいらっしゃれば、「ざわざわ」します。それがなかった。
整然と並ばれた第1術科学校の皆様と岸壁で第1陣戻りを待つ5分隊さん、6分隊さん。これより、第1術科学校「観閲行進予行」と幹部候補生学校「総短艇」の「ダブルキャスト」になってゆきます。
赤の双眼鏡で洋上を確認されているのは、寺尾 幹部候補生副校長。まだ、双眼鏡が必要な距離ですが、みるみる近付いて来られます。
8秒後。「みる間に近付く」です。こうして観ると、No.3ブイまで、かなり距離があるのですが。折り返すまでに5分かかっていませんでした。
再び振り返ると…第1術科学校の皆様、自衛隊記念日観閲行進予行が始まりました。井口「2隊長」組ご出発。
7秒後。「1029総短艇」の夕刻は、秒単位。7秒後…第1術科学校 第21中隊の皆様でしょうか。自衛隊記念日観閲行進にご出発。ここで、「むむ」であったのは、白砂上のロープ。ここまで伸びていたのですね。何故、こうして置いてある?曵く為。総短艇終盤の「大技」。
夕陽が照らす総短艇。江田島湾は幹部候補生学校総短艇。振り返り第1術科学校観閲行進予行。「ダブルキャスト」の夕刻。間もなく、短艇群が戻られます。時間にして、約3分後。
では、「1029総短艇」詳細投稿第3回は、ここまで。45cutの大作!次回も大作です。「1102自衛隊記念日」まで、毎投稿が大作です。