1年ぶりに「この部屋」に戻って参りました。「帰省」のようにさえ思えます。広々として、「全て」が揃っている、この部屋に。目の前には、勿論、日向灘。では、参りましょう。海上自衛隊掃海部隊の皆様の日向灘にての『平成24年度機雷戦訓練・掃海特別訓練・潜水訓練』天王山第1回速報。
掃海部隊の皆様が細島港を出港されたのは、前日の夕刻。その時が『平成24年度機雷戦訓練・掃海特別訓練・潜水訓練』第1日の始まり。明けて本日は第2日。新米見学者も掃海部隊の皆様を探し求め、日南海岸を南下。遂に最も近いと思われる地点に到達。2010年以降、日向灘・陸奥湾・伊勢湾にて、掃海部隊の皆様の『機雷戦訓練・掃海特別訓練・潜水訓練』を見学記録し続けていますが、本日が最も近く、大変良い状態での記録となりました。掃海母艦「ぶんご」さん、掃海輸送ヘリコプターMH-53E31号さん、掃海艦「つしま」さん。「見えて過ぎ」でした。
いつものように少し時間を戻します。バスを降り、カメラを構えた時、感動のあまり涙が出そうでした。これまでのさまざまが錯綜したからです。「帰って来た。日向灘に帰って来た」。目の前に掃海艦艇さんがた。左手より推定…(現在、位置確認中)第43掃海隊・掃海艇「とよしま」さん、第2掃海隊・掃海艇「たかしま」さん(確定)、第46掃海隊・掃海艇「あおしま」さん(確定)、第51掃海隊・掃海艦「つしま」さん(確定)。
左手より「つしま」さん、第41掃海隊・掃海艇「つのしま」さん、「あおしま」さん。そして、左手・中央付近にEOD員さんがた。バスの中から、既にEOD員さんがたが見えていたのです。「最も近い距離」をEOD員さんがたに設定。その為、予定より、かなり手前でバスを降りました。宮崎空港からバス旅ご一緒していた、おばちゃまがたが引き止めました。「まだ、はえっじゃよ。もっと近いバス停がヨカが。こっから歩くんじゃ大変やよ」。確かに、おばちゃまがたの云う通りでした。何キロもあります。もろに旅行者のフル装備(カート引きずり、三脚荷物担ぎ)で歩けるのか…と思いました。が。歩くのみ。ここまで来て、「疲れてるから、やーめた」は絶対後悔します。大げさでなく意を決してバスを降りました。「さあ…歩くぞ。目の前にEOD員さんがたがいらっしゃる。ただ歩くのではない」。風光明媚な日南海岸を歩きつつ、各所で記録し始めました。一つ心配であったのは、国道220号線の交通量。風光明媚な海岸ロードの為、かなり交通量も多く、皆様、飛ばし気味に来られます。路肩の歩道は狭く、いつ車に撥ねられてもおかしくありません(これも大げさでなく。かなりスリリングです)。その点を十二分に注意し、少しずつ「最も近い地点」を目指しました。
とてつもなく広大な日向灘にて早くも「密集」。第45掃海隊・掃海艇「ゆげしま」さん、交差されているのは第1掃海隊・掃海艇「あいしま」さん、右手より「たかしま」さん。
三脚担ぎ、カートをガラゴロ引きながら、ひたすら歩きます。そして、この光景が目の前に広がった時、思わず「…マジですか…」の独り言が。洋上に点在するEOD員さんがた。これまでのEOD員さんがたの記録で「最大規模」です。更に、右手にもいらっしゃるのです。真正面の掃海艇さんは「ゆげしま」さん。
ススキの穂とEOD員さんがたの記録も初めてかもしれません。昨年も日向灘にてのEOD員さんがたの記録は存在しますが、これほどの規模は初めてとなります。3年かけて「初」です。
「…この辺りがEOD員さんがた第1群に最も近いかもしれない…」。しばし記録を続けていましたが、距離はおそらく最も近いものの、EOD員さんがたが横に広がっていらっしゃいます。もう少し斜めの位置に行かれないだろうか…と、再び、カートをガラゴロ、三脚担いで歩き始めると、少し広い場所に出ました。すると、そこにバイクツーリングの途中、掃海部隊の皆様が気になり、ご覧になられているスタイリッシュな「兄さん」が居ました。「あん人たちは何をしちょっとですか?訓練ですか?」。南九州のお方(多分、鹿児島か宮崎のお方)のようですので、「じゃいよ。海上自衛隊掃海部隊の皆様やっで」と答えます。この後も、更に「お國言葉」満載の旅となります。本日は車を停めて見学される方々の多かった事!(歩いているのは、新米見学者ただ一人)この距離ですから、皆様、「ボートが出とる」。肉眼でも見えていたのです。しばし、バイク兄さんとお話しつつ、記録を続けていましたが、目標としている地点まで、どれほどか訊いてみました。「あと300mぐらいやよ。すぐそこやよ」。再び、黙々と歩き始めました。が。「…ヤバい。ヘリコプターさんが近くに来ていらっしゃる。間に合うか…」。しかし、到底、走れません。とにかく、落ち着いて。事故を起こしてはなりません。慎重に、かつ、少し焦りながら視界が拓ける地点を探しました。
やはり。掃海輸送ヘリコプターMH-53E31号さん、ご到着。先月10月の『自衛隊観艦式2012』以来です。しばらくは、日向灘上空にいらっしゃるでしょう。少しずつ、先に進みながら記録を続けます。
MH-53E31号さんとEOD員さん群、初の記録となりました。これまでも超遠方の陸奥湾での記録はありますが、「EOD群」としては初です。
そして、「目標地点」に到達した頃、右手より「ご当地掃海艇さん」の第46掃海隊・掃海艇「あおしま」さんが大きく動かれました。この時、新米見学者の周囲には、見学の方々が数人いらっしゃいました。双眼鏡をお持ちのお方もいらしたので、「689の船は、青島と云うお名前ですよ」とお伝えすると、「じゃっとか!」。
見えて過ぎでした。第45掃海隊・掃海艇「ゆげしま」さん、第46掃海隊・掃海艇「あおしま」さん、EOD員さんがた。後方の掃海艇さん、艦番号が確認出来そうなのですが…
双眼鏡がなくても、この頃、「あおしま」さんは大変良く見えていました。周囲の見学のおじさまがたから、「あの間を抜けてくのが、青島やな!どっから来とる?」。艦番号確認出来る限りの掃海艇さんがたのご所属をお伝えすると、皆様、次から次へと「あっちん船は?」。「その左の掃海艇さんは、今、艦番号が見えないのですが…あおしまさんのお隣は、函館からいらした、ゆげしまさん」「函館え!?あん黒かボートの人は何ね?」「海の爆発物処理班の皆様です」。このような状況は多々あり、実はシャッターチャンスを逃している事も多々あるのですが、無視をしたり、ないがしろにしたくはありません。
本日午后、最近距離であったのは、第44掃海隊・掃海艇「まえじま」さんでありました。見えて過ぎと云うより、「ここ横須賀?」の距離でした。EOD員さんがたも、「まえじま」さんも、ありありと見える距離です。reflexではありますが、肉眼で見ていらした、おじさまがたも「おお?!675が見えた!」。昨日、細島商業港を出港された際を記録出来なかった「まえじま」さんです。見事に記録出来て本当に良かったです。
再び密集。左手の第46掃海隊・掃海艇「あおしま」さん、右手の第43掃海隊・掃海艇「とよしま」さんは確認出来るのですが、どうしても、中央、後ろを向いていらっしゃる掃海艇さんの艦番号が見えそうで見えないのです。「つのしま」さんは更に左手にいらっしゃる。この時間帯、「あいしま」さんがいらっしゃるので、「あいしま」さん…確認を続けます。
昨日、細島港出港ぎりぎりとなってしまった第41掃海隊・掃海艇「つのしま」さん、本日は大丈夫。ばっちりでした。後方にいらっしゃるのは、第2掃海隊・掃海艇「たかしま」さん。眩しく煌めいていました。とにかく、出来る限り、EOD員さんがたと共に記録するよう待ちました。本日は、待っても十分な「余裕」がありました。
再び、ヘリコプターさんの音に振り返ると…「MCH-101号さん!」。少し前に、遥か水平線にお姿は見えていましたが、さすがに超遠方。掃海母艦「ぶんご」さん地点にいらっしゃいました。掃海輸送ヘリコプターMCH-101号さんがたは、機体に書かれた番号が小さめで、しっかり記録しないと確認が難しいのですが、本日は大丈夫。53号さんです。「ぶんご」さん右手にEOD員さんがた群が出現していました。
まさに観艦式級記録。「つのしま」さん、「ぶんご」さん、着艦直前のMCH-101・53号さん。「来た!」でした(写真的に、です)。実際の『機雷戦訓練・掃海特別訓練・潜水訓練』で観艦式級に記録する事は容易ではありません。これは実際の訓練。訓練展示ではありません。全ては距離と位置と天候次第です。明日、この状態で見学記録出来ると云う保証はありません。
第2掃海隊・掃海艇「たかしま」さん、第42掃海隊・掃海艇「くめじま」さん、EOD員さんがた。「くめじま」さんも、昨日細島商業港を出港された際を記録出来ませんでした。「…良かった…」。常に、全ての皆様を記録しようと努力していますが、その日、その時、確実に記録出来る方々となります。逆に「選り好み」をして記録しようとしても、それも難しいのです。洋上の皆様は、それぞれ動いていらっしゃるので、探しているうちに判らなくなります。とにかく、確実に記録出来る地点に集中しなくては追いつけません。本日も、皆様、かなり速く動かれていました。近いと云っても、reflex500が必要な距離。その状態で速いと判ると云う事は、間近であれば、相当速い、と云う事でもあります。
16時近くなった頃でしょうか。徐々に目の前に密集されていた掃海艦艇さんがたが少なくなり始めます。最大規模であった「EOD群」の皆様も。「そろそろ…見学終了時刻…」。こちらは第43掃海隊・掃海艇「とよしま」さん。左手にEOD員さんがたがいらっしゃるのですが、「とよしま」さん右舷後方では、処分艇さんが吊られていました。
じっと見ていて、「あれ??」。左舷でも、処分艇さんが吊られています。初の「ダブル処分艇収納」でした。初めて見る光景です。掃海艇さんには、通常、黒い処分艇さん1隻とグレイの作業艇さん1隻が搭載されていますが、本日は更にもう1隻。そして、左手にいらっしゃるEOD員さんがたは?とても気になったのですが、帰りのバスの時刻が迫っていました。16時台のバスに乗らねば、次は18時。国道220号を日が暮れてから歩くのは危険です。やむなく、自分も帰り支度を始めました。
「ぶんご」さんへもEOD員さんがたが戻られようとしていましたが…ここで時間切れ!後ろ髪を引かれながら、バス停へと向かいます。しかし…今度は何キロ歩けば良いのか見当がつきませんでした。ひたすら黙々と車に注意しながら歩きました。何とか、10分前にバス停に到着。よくぞ歩けた…です。バス停3つ分。
夕刻の車中より無理に撮りましたので、ブレてしまいましたが…第51掃海隊・掃海艦「やえやま」さん発見。日向灘にご到着でしたか。右手は第46掃海隊・掃海艇「くろしま」さん。こちらにいらしたのですね。バスに乗り、美しい夕刻の日向灘と掃海艦艇さんがたを見ていたのですが、とても気になっている事がありました。本日、鵜戸神宮さんにお参り出来なかったからです。鵜戸神宮さん本殿御前に掃海艇さんがいらした筈です。間近に。「あ!」と思った時、掃海艇さんが夕陽に光りました。どなたがいらしたのかは確認出来ませんでしたが…推定で、第46掃海隊・掃海艇「ししじま」さんではなかったかと…。丁度、鵜戸神宮さんに重なり、次に艦番号を確認出来たのは、「あおしま」さん、「くろしま」さんでしたので。その前に、うわじま型掃海艇さん2隻、「昨年度定位置」の前にいらしたのは見えていました。本日は、午前6時に起き、荷物をまとめ(一昨日からの体調不良で支度が遅れた)、午前には日向市を出発しましたが、日南海岸に到着したのは、午后になっていました。もう少し早い時間に到着したかったのですが…。明日こそ、鵜戸神宮さんにお参りしたいです。
快晴の宮崎空港。日豊本線がやや遅れましたので、予定していたバスに乗れなかった事で、約40分待ちました。歩いた時間も長くなりましたが、本日は歩いて正解でした。「車の運転出来ればね」と云われますが、確かにその通りではありますが、国道220号の場合は、「ここだ」と云うところでは、なかなか車停められません。結局、歩く事になりますし、運転しながらは撮れません。理想は歩きながら撮る。しかし…絶食状態で、よく歩けたものです。
その為、晩ご飯は「2年ぶりの梅雑炊」。「2年ぶりの」が判るお方もいらっしゃる事と。感激のあまり、ぴんぼけてしまっていますが。「EOD・掃海部隊食堂」こと、ホテルシーズン日南さんのレストラン「る・菜」さんの梅雑炊。ドアを開けると…「おかえりなさい!」と迎えて下さって、思わず泣きそうになりました。ここまでの道のり、しんどかった…。そして…「えーと…梅雑炊」と注文すると、「梅雑炊!!」。戻って参りました。1年ぶりに。心から安堵しました。梅雑炊に、しみじみ。本当に美味しい。優しい味。ほかほかの。
ようやく辿り着いた、「この部屋」。目の前は日向灘。今夜見えている灯は、漁り火のようですね。ゆらめいています。さて…明日に備えて、休まなくては。歩いて昇っての日々の始まりです。